仕事中に音楽を聞くのは効果的なのか

仕事や勉強中に音楽を聞いたりしていますか？誰もが一度はやったことがあるはず。おそらく理由は集中力や生産性の向上だろう。
どうやらこれまでは個人の好みの問題でしかなかったこの習慣が科学的にも効果的だと言われているらしい。しかし、その効果は作業の内容によって異なることも明らかになったのだ。オランダのラードボウト大学のシモーネ・リッター教授とオーストラリアのシドニー工科大学のサム・ファーガソンは沈黙下での作業とそれ以外の様々な種類の音楽を聞きながらでの作業での集中力の違いを研究した。一つ明らかになったのは、「幸せな音楽(happy music)」を聞きながら仕事に取り組んだ人は創造的な「発散的思考能力」を強化されているということが明らかになったのだ。しかし、反対に何かの問題を解決するための論理的な思考を必要とする「収束的思考能力」には良い影響を及ぼさないことを明らかにした。

参考: 「Happy creativity: Listening to happy music facilitates divergent thinking」https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0182210

そもそも抑えて置かなければいけないのは、我々の脳はマルチタスクに適していないとおいうことだ。マルチタスクをすることで人の脳が疲弊し集中力が低下することは科学的に明らかになっている。
音楽を聞きながら仕事をするということは、「音楽を聴く行為」と「仕事をするという行為」の2つを同時にこなしているマルチタスクに過ぎないのだ。「その音楽を聴きながら作業をするという行為はマルチタスクをしていることだ」という前提を抑えた上で私達は音楽の効用を判断する必要がある。

参考: 「集中力を高める7つの方法」
https://www.saluce.jp/wp/articles/91

それでもあなたが仕事中に音楽を聴いた方がいい理由はいくつかある。

高い気分で仕事に望むために音楽を利用するのは確かに効果があると言えるだろう。音楽はあくまで自分の感情、もっと言えば自律神経をコントールするために用いれば効果的なのだ。あなたの気分が落ち込んでしまっている場合は音楽を上げるため音楽を用いればよい。もしあなたが過度な緊張状態や興奮状態にあるならば、集中力を高めるためにリラックス効果のある音楽を聞けば交感神経が過度に優位な状態から抜け出すことが可能になる。
できれば仕事に取り組む「前」に活用をするのが好ましいのは間違いないが。

もしあなたの作業環境が周りの雑音で集中することも難しいよな環境である場合、音楽を聞きながらすることはベターな選択肢として成り立つ。ヘッドホンやイヤホンをつけて音楽を聴くことは自分の部屋を創り出すことと同義と言っても過言ではない。
隣にいる同僚の声がうるさくて業務に集中できない場合は、音楽を聴くことがあなたの部屋を作り出してくれるのだ。

メリットデメリットはつきものだ。いいことだけの話ほど怖いものはないものだ。