つらい筋肉痛に正しく対処し予防する方法とは
普段運動する機会がない中でいきなり運動をすると、激しい筋肉痛に悩まされ、場合によっては日常生活でも支障がでかねない。しかしこの筋肉痛は、いくつかのポイントに注意することで、痛みを和らげたり、事前に予防することができる。筋肉痛の仕組みや、効果的な対処法などについて解説していこう。
今回は、筋肉痛の仕組みや、効果的な対処法などについて紹介していく。
筋肉痛の種類
一つ目は即発性筋肉痛と呼ばれ、運動中や運動してすぐに発生する筋肉痛だ。筋肉が重い、だるいという感覚を伴うことが特徴である。これは運動によって乳酸が生成されることに伴って、水素イオンが発生することで、筋肉内が酸性になることで生じるとされている。
もう一つは遅発性筋肉痛というもので、運動後数時間から数日後に発生する。筋肉を使うことで筋繊維に細かな傷がつき、炎症が起きることで痛みを感じるとされている。一般的に言われている、「筋肉痛」とはこの遅発性筋肉痛のことを指しており、本記事でもこれ以降「筋肉痛」は遅発性筋肉痛のことを指すものとする。
筋肉痛がおこる仕組み
筋肉は筋繊維という繊維状の細い細胞が集まってできている。筋肉はこの筋繊維が収縮することによって力を発揮しているが、通常耐えられる以上の負荷がかかることで、この筋繊維が断裂したり傷がついたりする。特に、筋肉が収縮する方向とは逆向きに引き伸ばされながら力を発揮するときに、筋繊維に損傷が起きやすい。スクワットで膝を伸ばす時の太腿裏の筋肉(ハムストリング)や、ダンベルで腕を伸ばす時の上腕二頭筋などがイメージしやすいだろう。
このようにして筋繊維に損傷が起きると、それを修復する過程で炎症がおきる。この炎症が起きる際に痛みの原因となる物質が生成され、それが神経に刺激を与えて、筋肉痛の痛みが引き起こされるのだ。
ただし、この筋肉の損傷と修復という過程を経ることで筋繊維は、より強い力に耐えられるように元の状態よりも少し太くなって修復される。これが超回復と呼ばれる筋肥大の仕組みである。筋肉痛になること自体は、筋肉がつくために必要な過程であって、決して悪いことではないのだ。
筋肉痛への対処法
痛みを抑える鍵となるのは、運動後すぐは炎症を抑え、時間がたってからは血流をよくすることだ。
まずはすぐにアイシングを
ストレッチやマッサージも効果的
ストレッチをしたり、軽く足をマッサージすることは、固まった患部をほぐし、血流をよくすることができるため、効果的だ。無理に強い刺激を与えることは避けたいが、痛いからと動かないでいると、患部がこわばり、血流が悪化するため注意しよう。
冷却と温めを繰り返す
蒸しタオルと氷を使って、冷却と温めを繰り返すのも良いが、風呂に入って温め、シャワーで冷水をかける方法が家庭でも手軽に行える方法だろう。
栄養を取る
まずは、筋肉の構成物質であるタンパク質だ。肉・魚・乳製品や豆腐などの大豆製品などが良いだろう。また、血行促進の効果がある、ビタミンC・Eや、疲労回復に効果のあるビタミンB群を含む食品なども効果的だろう。
十分な睡眠をとる
湿布を使う
筋肉痛を予防するには
準備運動・ウォーミングアップを行う
運動後にはクールダウンを
日常的な運動が、筋肉痛を予防する
日常的に少しづつでも筋肉を使っていることで、いざという時にも筋肉痛になりにくい身体を作ることができるのだ。
筋肉痛は筋肉が成長する過程の痛みであって、避けて通るとこはできない。だからこそ筋肉に成長のための負荷を与えられたことを喜びつつ、痛みにはきちんと対処し、うまく筋肉痛を乗り越えてほしい。適切な予防や対処により、充実した運動が行えるようにしよう。