筋トレの効果を得るにはタンパク質だけでなく、糖質の摂取も重要になる
筋トレ後にタンパク質を補給することの重要性は長らく伝えられてきたが、実は筋トレ前後の食事として、糖質、すなわち炭水化物を摂取することも同様に重要であることが明らかになってきている。糖質ダイエットが流行るなど、太ることの原因として避けられがちな糖質だが、今回はその重要性について改めて紹介していく。
筋トレにおいて、トレーニング同じくらい重要なのが食事だ。これに関しては長い間、筋トレ後にはタンパク質を補給することの重要性が伝えられてきた。しかし、実は筋トレ前後の食事として、糖質、すなわち炭水化物を摂取することも同様に重要であることが明らかになってきている。近年は糖質ダイエットが流行るなど、太ることの原因として避けられがちな糖質だったが、今回はその重要性について改めて注目していこう。
糖質と炭水化物は混同されることが多いが、三大栄養素の一つとして取り上げられる炭水化物の構成要素として糖質が存在するというのが正しい理解だ。炭水化物はこの糖質および食物繊維により構成されている。
糖質というのは1gあたり4kcalと、熱量が多く、すぐにエネルギーとして利用できることから、身体の一番のエネルギー源となっている。一方の食物繊維は「ヒトの消化酵素で分解されない食物中の総体」として定義され、エネルギー源とはならないものの、生活習慣病の予防や腸内環境の改善など多くの役割があるとされている。
糖質というのは1gあたり4kcalと、熱量が多く、すぐにエネルギーとして利用できることから、身体の一番のエネルギー源となっている。一方の食物繊維は「ヒトの消化酵素で分解されない食物中の総体」として定義され、エネルギー源とはならないものの、生活習慣病の予防や腸内環境の改善など多くの役割があるとされている。
今回注目するのは、筋トレの際もエネルギー源として重要となる糖質だ。それでは早速、糖質と筋肉の関係について解説していこう。
目次
そもそも糖質とは
糖質と筋肉の関係
前述した通り、筋肉を動かす際のエネルギー源となるのが糖質だ。
糖質は体内に取り込まれるとグリコーゲンという物質に変化する。このグリコーゲンは筋グリコーゲンという形で筋肉内に貯蔵され、筋肉を収縮させ、動かす時のエネルギーとして使われる。ただし、この筋グリコーゲンの貯蔵には限界があるため、これを使い切ってしまうと筋肉が疲労し、パフォーマンスが発揮されなくなってしまう。
逆に、十分な糖質を摂取していることで、筋トレの効果を十分に高めることができるのである。
糖質が筋トレにとって重要な理由として3つのポイントを紹介していこう。
糖質は体内に取り込まれるとグリコーゲンという物質に変化する。このグリコーゲンは筋グリコーゲンという形で筋肉内に貯蔵され、筋肉を収縮させ、動かす時のエネルギーとして使われる。ただし、この筋グリコーゲンの貯蔵には限界があるため、これを使い切ってしまうと筋肉が疲労し、パフォーマンスが発揮されなくなってしまう。
逆に、十分な糖質を摂取していることで、筋トレの効果を十分に高めることができるのである。
糖質が筋トレにとって重要な理由として3つのポイントを紹介していこう。
筋トレの負荷を高められる
十分な糖質が筋グリコーゲンとして蓄えられていることで、筋肉本来の力を限界まで使ってトレーニングを行うことができる。筋肉は一度重い負荷をかけて、筋繊維を破壊し、その部分がもとよりも太い筋肉として修復するという超回復と呼ばれる仕組みにより鍛えられていく。十分なグリコーゲンがないと、体感的にはきついトレーニングをしたつもりでも、ただエネルギー不足できついだけで、筋肉にはきちんと負荷がかかっていないという状態になりかねない。
筋トレの効果を正しく得るには、糖質の補給は必須となる。
筋肉の分解を防ぐ
体内の糖質が不足すると、筋トレの効果を得られなくなるだけでなく、場合によっては筋肉を減らしてしまうリスクも伴う。というのも体内で糖質が不足すると、次のエネルギー源としてタンパク質を分解してしまうのだ。タンパク質とはまさしく筋肉の要素であり、本来筋肉を鍛えたかったものが、逆に筋肉の減少に繋がりかねないのだ。
タンパク質の合成を促すホルモンを分泌させる
注目したいのがインスリンというホルモンだ。糖尿病に関連して説明されることも多いインスリンだが、これは血糖値が上がると分泌され、血糖値を下げる働きがある。
このインスリンが分泌されると、たんぱく質の合成が促され、同時に分解が抑えられることが明らかになっている。糖質を摂取すると、血糖値が上昇しインスリンが分泌されることから、ホルモンを制御し、効果的に筋肉を合成するためにも、糖質の摂取は重要になる。
このインスリンが分泌されると、たんぱく質の合成が促され、同時に分解が抑えられることが明らかになっている。糖質を摂取すると、血糖値が上昇しインスリンが分泌されることから、ホルモンを制御し、効果的に筋肉を合成するためにも、糖質の摂取は重要になる。
筋トレに効果的な糖質摂取の方法
筋トレをするに当たって糖質が重要であることをここまで紹介してきたが、糖質を摂取するに当たっては適量を意識することが重要だ。不足すれば筋トレの効果が出ないが、逆に多過ぎれば肥満に繋がってしまう。ここでは糖質を摂取する際の適量について紹介していく。
摂取しすぎた分は脂肪になるリスク
脂肪は、皮下脂肪や内臓脂肪などとよく耳にする通り、多くの量を貯蔵することができる。それに対して糖質は、肝臓や筋肉など限られた部位でのみしか蓄えておくことができず、その量は個人差があるものの400g程度とされている。蓄えきれずに余った分は脂肪に形を変えて貯蔵されてしまうため、肥満に繋がってしまうのだ。そのため、筋トレ前に多く摂取し食いだめしておくようなことはできず、必要なタイミングで適宜、摂取してくことが重要になる。
糖質は、そもそも1日にどのくらいの量を摂取すれば良いのか。
厚生労働省が示す目安では、1日の摂取カロリーのうち50〜65%を炭水化物(糖質)で摂取するのが良いとされている。この1日の摂取カロリーは、身長、性別、運動量などによって大まかに決まる。
厚生労働省が示す目安では、1日の摂取カロリーのうち50〜65%を炭水化物(糖質)で摂取するのが良いとされている。この1日の摂取カロリーは、身長、性別、運動量などによって大まかに決まる。
こちらのサイトで必要なカロリー量を計算できるため、興味がある場合には自分で計算してみてほしい。
https://joyfit.jp/aojoy/health_column/post03/ (JOY FIT 1日あたり必要なカロリー量とは?)
糖質の最適な摂取量
筋トレと糖質摂取のタイミング
上記から計算すると20代男性で、身長168cm、ジムでトレーニングを行なった日には、3000kcal程度を目安に摂取することになり、この50〜65%にあたる、1500〜1950kcalを糖質で補うことになる。
糖質は1gあたり4kcalとされていることから、換算するとだいたい380g 〜 490g程度が糖質の1日あたりの適正な摂取量ということだ。
食品の糖質量については、厚生労働省が以下でまとめているが、白飯1杯(150g)で55gの糖質、スパゲティ(100g)で73gなどを例とすると、1日の糖質摂取量の目安をイメージしやすいかのではないだろうか。
糖質は1gあたり4kcalとされていることから、換算するとだいたい380g 〜 490g程度が糖質の1日あたりの適正な摂取量ということだ。
食品の糖質量については、厚生労働省が以下でまとめているが、白飯1杯(150g)で55gの糖質、スパゲティ(100g)で73gなどを例とすると、1日の糖質摂取量の目安をイメージしやすいかのではないだろうか。
文部科学省 炭水化物成分表編 本表 PDF(日本語版)
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365527.htm
1日の摂取目安量がわかったところで、最後に筋トレをするにあたって適切な摂取のタイミングについて紹介する。
筋トレ前
筋トレ前は、トレーニングに向けてエネルギーを蓄えるために糖質の摂取が欠かせない。消化する時間を含めて、理想的には2時間前、遅くとも1時間前までには、摂取するようにしよう。
摂取するものとしては、米や麺など、消化しやすいものがオススメだ。トレーニング前に食事を摂取したくない場合には、糖質を含んだプロテインを飲むのも良いだろう。
摂取するものとしては、米や麺など、消化しやすいものがオススメだ。トレーニング前に食事を摂取したくない場合には、糖質を含んだプロテインを飲むのも良いだろう。
筋トレ後
筋トレ後にはタンパク質と糖質を一緒に摂取するのが、タンパク質の吸収を促進することからオススメだ。タンパク質 : 糖質 = 1 : 3の割合で摂取することが筋肉の増強に効果的とされている。プロテインを飲んでも構わないが、基本的にはきちんとバランスの取れた食事を取ることが一番良いだろう。
まとめ
いかがだっただろうか?筋トレによって筋肉を効果的に鍛えるには、実はタンパク質だけでなく糖質の働きも重要になる。適切な量とタイミングでエネルギーを補給し、筋トレの効果を最大化していってほしい。