サウナの消費カロリーとは?ダイエットに効果があるのかを解説
サウナというと大量に汗をかくことから、ダイエットと結びつけてイメージされることが多い。しかし、暑い空間に身を置くということだけでは、実際にはそこまで多くのカロリーを消費しないことが明らかになってきている。サウナとダイエットの関係について、よくある誤解をときながら解説していく。
今回は、サウナとダイエットの関係について、よくある誤解をときながら解説していく。
サウナはダイエットになるという誤解
大量の汗をかくことや、我慢して長時間いることによって、ダイエットの効果を期待する人も多いが、ダイエットになるという期待は誤解によって生じている可能性がある。
早速いくつかの誤解を解いていこう。
実はあまり多くない消費カロリー
サウナにおいては、基本的に動かずに座っていることが多く、ここで汗をかくのは、暑い環境に身体が反応して体温を調節しようとしているからであって、運動の結果、体温が上がったからではない。
実際のサウナの消費カロリーをみてみても、1時間あたり130~150cal程度(体重など個人差がある)である。座っているだけの状態と比べると、カロリー消費は多いものの、例えばウォーキングのような有酸素運動の1時間当たりの消費カロリーが180cal程度であることを考えると、ダイエットを目的とするにはあまり効率がよいとは言えない。
つまり、サウナは汗はかくものの消費カロリーが多いわけではないのだ。
体重が減るのは水分量の変化
大量に汗をかくことで見た目の体重は減るが、水分補給をすることで元に戻るため、こちらもダイエットに効果があることの証明には残念ながら、ならないのだ。ちなみに、水分が抜けただけとはいえ体重が減ったのだからと、水分を補給をしないのは、脱水症状の危険もあるためやめておくべきだ。
ダイエットに全く効果がないわけではない
直接の消費カロリーには影響が少ないものの、基礎的な消費カロリー(基礎代謝)を上げ、太りにくい身体になることには効果が期待できる。
鍵となるのは褐色脂肪細胞の活性化だ。
褐色脂肪細胞とは?
もともと褐色脂肪細胞は体温維持を目的に、乳幼児の状態でもっとも多いが、成長するにしたがって、その役割が薄くなり減少していってしまう。成人では、褐色脂肪細胞はあまり存在しないとも言われているが、首の付け根や肩甲骨周りには多く残っていることがわかっている。
サウナは褐色脂肪細胞を活性化する
まず注目するのがHSP(ヒートショックプロテイン)というタンパク質だ。これは熱ストレス、すなわち体温を上げることによって増加することがわかっている。そしてこのHSPが増加することが、褐色脂肪細胞の活性化に繋がるのだ。
また、HSPによる間接的な活性化だけでなく、寒冷刺激により褐色脂肪細胞を直接刺激することができる。もともと体を温めるために熱を生み出す役割を持つことから、水風呂のような寒さを刺激として与えることによっても、褐色脂肪細胞が活性化されると考えられている。
このように、褐色脂肪細胞を活性化することで、脂肪を消費しやすく太りにくい、基礎代謝が高い身体をつくることが期待できる。
とはいえ、サウナによる褐色脂肪細胞の活性化は、あくまでも褐色脂肪細胞の特性からそう考えられる、というものでもあり、明確に研究等によって証明されているものではない。
また、具体的にどの程度褐色脂肪細胞が活性化され、ダイエットに効果がでるのかという点も明らかになっていない。そのため、現状ではサウナがダイエットに効果的であると断言することは難しく、あくまもで期待できるという状態である。サウナとダイエットについては、引き続き今後の研究を期待したい。
まとめ
正しい知識をもとに、サウナを楽しんでほしい。