高血圧に筋トレは効果的なのか?適切なトレーニングを解説する
高血圧を下げる方法として、有酸素運動がよく取り上げられるが、筋トレは効果的なのだろうか?近年注目される筋トレと、血圧の関係や、血圧を下げるための適切なトレーニングを紹介する。
そんな血圧に対する予防として、筋トレが近年注目されている。しかし、この筋トレによる対策、実は正しいやり方でないと、脳梗塞などのリスクを高めてしまうかもしれないのだ。
今回は、筋トレと血圧の意外な関係や、高血圧対策としての正しい筋トレの知識を紹介していく。
そもそも血圧とは?
この圧力は一定ではなく、様々な要因によって変化している。
血圧に一番大きく関わるのは、血を全身に送り出す心臓の鼓動だ。血圧計で計測する際に、血圧として上と下の二つの数値が表示されることを思い出して欲しい。この上の値は心臓が収縮して血液を送り出した際の、もっとも血管の壁に圧力がかかる時の数値、逆に下の値は心臓が拡張して血液が戻ってくる、もっとも血管への圧力が小さい時の値を表示している。この心臓が血液を送り出す力(心拍出量)が大きいほど、血圧は高くなるのだ。
血管の状態も血圧に影響する。これは具体的には、血管の弾力のことを示している。血管が硬いほど送り出される血液量に合わせて血管が拡張収縮して対応しにくくなり、上の値はより高く、下の値はより低くなるのだ。
また、この血圧は1日の中でも変化することで知られ、睡眠時に低く、起床してから徐々に上昇し、日中活動している状態が1日の中で最も高く、また夜にかけて低下していくというサイクルになっている。
高血圧とは?原因を解説
では血圧が高い状態とは、何を基準に定義されているのだろうか?
ここまで身近で無視できない高血圧だが、なにが原因で血圧値は上昇するのだろうか?
高血圧はその原因から、大きく二次性高血圧と本態性高血圧に分けることができる。
二次性高血圧とは、腎臓や心臓、血管等の病が原因となって、起こる高血圧のことで、原因がはっきりしているもののことを指す。
一方で本態性高血圧とは、原因がはっきりとわからない高血圧を指し、生活習慣や環境、遺伝子などの要因が関係して起きるものとされている。
今回は日本人の9割を占めるとされる本態性高血圧の原因となりうるものを紹介していく。
食塩の摂取過多
しかし平成29年に厚生労働省が発表した国民健康・栄養調査結果の概要によれば、日本人の食塩摂取量の平均値は9.9g 、男女別で男性は10.8g、女性は9.1gと、目安値に対して、大幅に超えていることが明らかになっている。近年は減塩食品が売り出されるなど食塩の摂取に気を使うようになってきているが、外食をはじめとして、食塩を摂取する機会は依然として多いため、引き続き食塩には気をつけたいところだ。
肥満
高血圧だけでなく、様々な生活習慣病の元になる肥満。食事や運動によって改善していきたいところだ。
飲酒や喫煙
高血圧のリスクとは
以下では高血圧によって引き起こされやすい疾患を簡単に紹介していく。
脳卒中
高血圧によって長い間ダメージをダメージを受け続けることで、血管の壁は脆くなり、血栓もできやすくなる。結果的に血管が詰まって脳梗塞を引き起こしたり、血管が切れて脳出血を引き起こすことになる。
心疾患
腎臓病
血圧と筋トレの関係
瞬発的に力を使う筋トレはNG
オススメは下半身の筋トレ
ここで注目したいのが一酸化窒素(NO)という物質だ。これは、血管内で生成され、血管をしなやかにし、拡張することで知られている。そのためこの一酸化窒素の分泌が増えることが高血圧の対策として効果的になるのだ。一酸化窒素は筋肉を動かすことで生成されることから、より筋肉量の多い下半身の筋肉を動かすことで、効率的に生成を促すことができる。
また、筋肉は身体の中でも多くのエネルギーを消費する部分でもある。下半身の筋肉量を増やすことは、基礎代謝の向上につながり、高血圧の原因となる肥満などの予防にも効果的だ。
下半身に注目するもう一つの理由として、第二の心臓と言われるふくらはぎがあることが挙げられる。血液の循環は、基本的には心臓の収縮と拡張によるポンプ機能に支えられているが、心臓から遠い位置にある下半身から、心臓の力だけで血液を戻すのは、大きな負担がかかってしまう。この時、おもにふくらはぎの筋肉の収縮が、ポンプの役割を果たして血流を流すことで、心臓の負担を軽減しているのだ。
ふくらはぎの筋肉を鍛えてこの足のポンプ機能を高めることで、心臓が高血圧で血液を送り出すことなく血液が循環するのを助けることができる。
下半身を鍛えるにはこんなトレーニングがおすすめ
スクワット
前述した通り、呼吸を止めて力を発揮しようとすることは、血圧が上がるため良いやり方とは言えない。ゆっくりと筋肉に負荷をかけることをイメージして取り組んでほしい。
2. 背筋を伸ばす。腕は前に突き出す。
3. 地面と太ももが平行になるまで腰を落としていく。
4. もとの位置に戻す。
5. これを10 ~ 20回程度繰り返す
カーフレイズ
2. かかとを上げてつま先立ちになる(背伸びをした状態)
3. かかとをギリギリまで上げる
4. ゆっくりと下ろす(地面にかかとをつけない)
5. 2〜4の上げ下げを30回程度繰り返す
ランジ
2. 右足を一歩分後ろに引く
3. 右足はかかとを上げ、左膝を曲げて、腰を落としていく(右膝は床につけない)
4. 1~2秒その状態をキープしたた、腰を上げる
5. これを10回程度繰り替えす。
6. 足を入れ替えて同様に行う