カップル&夫婦必見!マインドフルネスと幸せホルモン「オキシトシン」の関係を解説!
マインドフルネスが、幸せホルモンであるオキシトシンの活性化に関与することが研究で分かりました。
「オキシトシン」や「マインドフルネス」を単語としては興味があっても、私たちの生活や健康にどのように影響を与えるか、知っている人は少ないのではないでしょうか?
オキシトシンの活性化によって、免疫強化やストレス改善などの効果が報告されています。
この記事では以下について解説します。
- マインドフルネスとは
- マインドフルネスとオキシトシンの関係
- オキシトシンが増えることによる私たちへの影響
幸せホルモンであるオキシトシンを増やし、健康的な生活を手に入れましょう。
マインドフルネスとは
マインドフルネスはヤフー、パナソニック、リクルートなどの日本の大手企業だけでなく、世界的に有名なIT企業のGoogleやFacebookなども取り入れている認知行動療法の一つです。
この章では、世界中に知られているマインドフルネスについて説明しますね。
「今、この瞬間」に注意を向けた心のあり方
マインドフルネスとは「今、この瞬間」を見つめる心のあり方です。客観的に自分を見ることができている状況とも言えます。
大手企業はEI(Emotional intelligence:感情知性)を高めるために、マインドフルネスを用いているのです。
他にも、
- 感情のマネジメント力
- 自己認識力
- リーダーシップ
- コミュニケーション能力
これら能力の向上にもマインドフルネスは有効だと考えられています。
マインドフルネスは瞑想ではない
「マインドフルネス」を検索すると「マインドフルネス瞑想」の検索結果が多いですが、マインドフルネス=瞑想ではありません。
しかしマインドフルネス瞑想は、自身をマインドフルネス状態にする一つの方法ではあります。
マインドフルネスと瞑想の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
マインドフルネスと瞑想って何が違うのか
マインドフルネスは「今、この瞬間」の自分に注意を向けている状態です。
普段の生活の中で体を動かしている時、食事をしている時に今の自分の状態、身体・心の状態、周囲の状況に対して注意を向けることにより、マインドフルネスの状態を作ることができます。
オキシトシンは幸せホルモン
オキシトシンは子宮筋収縮作用による分娩の促進や、出産後の授乳時に影響するホルモンとして、女性の出産や子育てに関係の深い関係があると知られています。
この章ではオキシトシンの分泌を促す方法とオキシトシンの効果について説明しますね。
オキシトシンの分泌を促す方法
オキシトシンは「幸せホルモン」と、人とのふれあいやハグなどでも分泌が促されます。母子の間でのふれあいがオキシトシン分泌に繋がることも知られているホルモンです。
母子間以外でもオキシトシンは、男女間、夫婦間などの人との絆の形成に重要なホルモンでもあります。最近の研究では、オキシトシンは人と人との間だけで活性化されるだけでなく、犬と飼い主間の見つめ合いでも分泌促進されることがわかっています。
オキシトシンはスキンシップや見つめ合いだけでなく、友人や家族と時間を過ごす、感動する映画をみるなどの心が開かれる体験によっても分泌が促されます。
オキシトシンによる効果
オキシトシンは体内のストレスホルモンを減らし、リラクゼーションの状態を作る働きがあるのです。
ストレスによる心臓への負担をオキシトシンが抑えることもわかっています。心臓にはオキシトシンホルモンの受容体があり、オキシトシンによりストレスで傷ついた心臓が元気になるからです。
さらに、社会的に人と交わることでオキシトシンの働きは強くなり、人に助けを求めたり反対に誰かを助けたりすることで、さらにオキシトシンの分泌は促されます。
結果、オキシトシンの働きによりストレスに対する身体の反応はより健康的になり、ストレスのダメージから早く回復できるようになります。
以上のようなオキシトシンの効果について、アメリカのスタンフォード大学の健康心理学者、ケリー・マクゴニガル氏がTEDにてスピーチをしたことも有名ですね。
https://www.ted.com/talks/kelly_mcgonigal_how_to_make_stress_your_friend
人を助けたり、人のために時間を使ったりすることはストレスへの耐性を高めることも言及しています。
マインドフルネスで幸せホルモンのオキシトシンの活性化
マインドフルネスとオキシトシンはどのように関係していくのでしょうか。
この章では昨今の研究からわかった以下に関して解説します。
- マインドフルネスのストレス改善からオキシトシンの活性化
- マインドフルネスと性的興奮によるオキシトシンの活性化
マインドフルネス状態がオキシトシンを活性化します
マインドフルネスの状態により、自分自身を客観視することができ、ストレスの改善へとつながります。ストレスの改善に繋がる上で脳内のオキシトシンが活性化されるのです。
2017年に発表された教師のメンタルヘルス対策に関しての研究では、ストレス解消法としてオキシトシンを活性化を行うために、瞑想方法でのマインドフルネスを行なっています。
その結果、オキシトシンが活性化され脳のストレス反応を遮断することがわかりました。ストレス反応が遮断されることで、体内のストレスホルモンが減少し、リラクゼーション効果が得られます。
性的興奮とマインドフルネスによるオキシトシンの関係
「今、この瞬間」の自分自身を客観的に見るマインドフルネスの状況は、女性の性的興奮に関して関係していることが研究でわかりました。
マインドフルネス状態と性的な興奮が密接に関係し、その状態からオキシトシンの活性化に繋がる研究についての論文が2019年に発表されたのです。
その研究では、オキシトシンがマインドフルネス状態と性的興奮時に増加し、オーガニズムの間にピークに達することが分かりました。性的関係の中で、オキシトシンによる絆形成が作られます。
マインドフルネスからのオキシトシンの活性化により
- 思いやりのある関係づくり
- 自己を受け入れる心
などの人間関係に対して、よい結果を得ることができます。
まとめ
本記事では「今、この瞬間」を見つめるマインドフルネスの状態が、幸せホルモンであるオキシトシンに繋がることで活性化されることを説明しました。
オキシトシンは以下の状態から分泌が促されることがわかっています。
- マインドフルネス状態からのリラックス状態
- マインドフルネスと性的興奮
- 人とのふれあい
- ペットとの見つめ合い
オキシトシンの分泌が促されることで、絆の形成やストレスに対しての耐性が強くなるなどの良い効果が得られるので、ぜひ「今、この瞬間」の自分を見る時間を作ってはいかがでしょうか。
▼参考文献
オキシトシンと視線との正のループによるヒトとイヌとの絆の形成
Oxytocin and mutual communication in mother-infant bonding
マインドフルネスとオキシトシンの関係性(アブストラクトのみ)
Brief mindfulness session improves mood and increases salivary oxytocin in psychology students.
マインドフルネスと性的興奮、女性のオキシトシン作動に関して
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6538816/
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000282.000011466.html
論文
池田誠喜ほか『健康づくりを主体とした教師のメンタルヘルス対策についての考察』
鳴門教育大学研究紀要 第32巻 2017