個人と企業との関係が変わる?2020年以降の社会人の学び方について解説
2020年、働き方に大きな変化が訪れようとしています。
例えば、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、育児や介護との両立、副業の実施など、人々の働き方が多様化し、大きな変化が起こることが予想されています。
特に、生産年齢人口の減少に伴い、その減少を補うためのAIやVR、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)の導入などにより、生産年齢人口の減少を補うための取り組みも積極的に行われております。
今後は、これらの課題解決のため、「働き方改革」を推進し、働く人々のそれぞれのニーズに対応できるような環境づくりが進められています。
また、コロナウイルスの影響で、急激に推進されたリモートワーク(テレワーク)についても、今後の働き方の変化に大きく影響を及ぼすことと思われます。
そのため、ここでは2020年以降、大きく変わる働き方についてご説明させていただきます。
<参考> 国立社会保障・人口研究所 http://www.ipss.go.jp/ 総務省統計局 http://www.stat.go.jp/
2020年以降の働き方の変化
これからは、企業にて終身雇用で働くことは非常に難しく、経団連の会長も「終身雇用を前提に企業経営、事業活動を考えるのは限界を迎えている」と話されています。 また、NTTやASAHI、サントリー、トヨタ自動車など名だたる大企業が副業を解禁しています。また、厚生労働省でも副業・兼業のガイドラインを発表しています。 厚生労働省 副業・兼業の促進に関するガイドライン つまり、2020年以降の働き方としては、人々の働き方の多様性に対して、働く個人がワークライフバランスなどを考えて、人生100年時代の選択肢として、様々な専門性やスキルを身につけ、副業も視野に入れた働き方を選択する必要があるということになります。
2020年以降に求められる人材とは?
2020年以降の社会人に求められるものとして、経済産業省は、これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力を「人生100年時代の社会人基礎力」と新たに定義しました。 社会人基礎力の3つの能力/12の能力要素を内容としつつ、能力を発揮するにあたって、自己を認識してリフレクション(振り返り)しながら、目的、学び、統合のバランスを図ることが、自らキャリアを切りひらいていく上で必要と位置づけられるということです。 出展:経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力」 この内容を見ると、これからの働き方に対して非常に重要になるものは、下記の3つになるということです。
- 目的(どう活躍するか!)・・・自己実現や社会貢献に向けて行動する。
- 統合(どのように学ぶか!)・・・多様な体験、経験、能力、キャリアを組み合わせ、統合する。
- 学び(何を学ぶか)・・・学び続けることを学ぶ。
これからの働き方に対して、3つの視点が追加されたことは、より多様化する社会に対応するために、それぞれがより主体的に考え、行動することが重要になると思われます。今までのように、大企業や組織に所属し、終身雇用・組合・年功序列に守られ、会社からの指示に従った行動すれは良かった時代は、既に終わっています。 今後は、激変する環境に対応するため、自ら情報収集を行い、その情報を取捨選択し、自らが求められる人材になるための目的・目標設定を行い、その達成に向けての学びを行い、その学んだことのフィードバックを行うことが必要です。 さらには、学びを活かして、実際の社会で活躍することが非常に重要になります。この活躍の場を増やすために、転職・社会貢献への関わり、副業、地方での労働など、様々な取り組みが活性化されていくと思われ、その際に活躍できる人材になるための準備や自己投資などが重要になります。 【人生 100 年時代に求められる人材像と学び】
変わる!個人と企業との関係
これからの人生100年時代を迎えるにあたり、定年は75歳前後、転職前提の社会において、働く個人と企業との関係性についても、大きな変化が出てくると思われます。 その中の一つに、キャリアオーナーシップと言われるものがあります。具体的には、自分自身のキャリアは、従来の企業でのジョブローテーションなどを通して、ある意味与えられるものではなく、自分自身の働く目的・目標などにより、自分自身で創り出すものという考えになります。 自分自身のキャリアオーナーシップの獲得のため、自らの働き方、身につけるスキルや発揮する場面などを意識して行動することが、今後の主流になります。また、企業側としても、この環境に対応するための、様々な環境整備が必要になります。 この環境整備をスピーディに行うことで、企業にとっても優秀な人材が転職などで流出することなく、社内に優秀な人材を確保することができることで、自社の競争力もアップすることになります。 参照 経済産業省・中小企業庁 「人生 100 年時代」におけるキャリアや働き方の変化と環境整備の必要性
パラレルキャリアと、これからの時代をどう生きるか
パラレルキャリアとは、経営学者のピーター・ドラッカーが提唱した考え方になります。 本業を持ちながら、副業・兼業などを行なったり社会貢献活動などを行なったり、本業とは別のキャリアを持ち、それらを両立していくキャリアのことを指します。 人生100年時代の働き方には必要不可欠なものとされており、パラレルキャリアを持つことが、これからの時代を生き抜くための1つの入口であり手段であると言われています。 このパラレルキャリアを持つ際に重要となることは、パラレルキャリアの必要性を理解し、時代の流れと共に肌で感じ、キャリアオーナーシップとして身につけることです。 この際に、2020年以降に求められる能力や、AIやVR、RPAなどの進化に付随するスキル、または、これらを使いこなすことのできるスキルなどを持つことが、効果的なパラレルキャリアの習得につながると思われます。 また、今後の時代の変化に必須のスキル(リモートワーク・動画・プログラミング)はもちろんのこと、現在の専門性に隣接したキャリアばかりを身につけるよりも、別ジャンルのキャリアの習得にチャレンジしていくことも、生き残りのためには非常に重要になると思われます。 2020年以降、働き方が大きく変わります。コロナウイルスの影響もあり、その変化は加速し、様々な新しい働き方の提案がなされてくると思われます。都市への集中から地方への分散、オフィスワークからリモートワークへの転換、インハウスの業務からアウトソーシングへの転換と、その働き方は多様化してきます、その際に、漠然と不安を持つよりも、人生100年時代の新しい働き方を、キャリアオーナーシップ=自らの意志で自主的に見つけていただきたいと考えます。個人と企業の関わりの変化、求められる人材の変化、AIやVRなどの新たな技術の進化などを踏まえた上で、自主的に自らのパラレルキャリアを構築することこそが、環境変化に順応していくことであると思われます。昔に比べると、様々な情報が簡単に手に入る時代の中、その情報を取捨選択しながら、自らの意志で、自ら考え、1人ひとりが望む働き方の実現のために、努力していただき、この激変する環境に対応し、充実した人生100年時代を送っていただきたいと思います。