ヨガに続くか。歴史から紐解く瞑想の日本進出戦略
海外で流行している瞑想。日本でも少しずつセミナーやアプリの発表が行われるようになっており、「マインドフルネス」という言葉を聞いたことがある人も多いはずだ。ただ、依然として瞑想に対しての不信感は日本に漫然と存在する。そんな瞑想の日本進出の戦略をヨガの歴史を元に紐解く。
30代以上の人たちはきっと共感する言葉ではないだろうか。
今の若者には想像もできないかも知れないが、ヨガは昔疎まれていたスポーツだった。いや、スポーツという認識もされていない、一種の宗教のような扱いを受けていた。
ヨガに対する印象はオウム真理教への印象と重ねられた。
そんなヨガは今、皆さんもご存知の通り日本では1大ブームと言っていいほどの流行具合である。若い女性はこぞって、駅近くのヨガスタジオに通いそれがある種のステータスの如くインスタグラムにヨガに通った写真をあげる。20代女性であれば、一度は検討したことがある人も多いのではないだろうか。なぜ、一度は権威を失墜したとも言えるヨガは日本でこれほどのブームを起こしているのだろうか。
一度日本で失墜したヨガへの怪しい印象はアメリカのハリウッドセレブを中心としたヨガブームが打ち壊した。マドンナやビヨンセ、クリスティ・ターリトン、クリスティ・デイヴィスなどのハリウッドセレブたちによるヨガの華やかな印象は日本の若者、特に20代女子を魅了し、日本での爆発ブームの火種となった。
この勢いに乗って、日本ではLAVAやCALDOなどの女性向けホットヨガスタジオは店舗数を続々と増やし、日本でも女優の長谷川潤さんを中心に女性芸能人がある種のステータスとしてヨガを実践していることをSNSに投稿している。ダイエット効果もある、陽ヨガは多くの日本人女性にとって最適なものだったのかもしれない。女性だけのものとして捉えられてきたヨガは、元野球選手のイチローやサッカーの長友佑都選手に代表されるような男性スポーツ選手の間でも流行を生んだ。
ヨガから読み解く瞑想の日本進出戦略
ヨガへの印象が変わったように、日本でも瞑想への印象は若者を中心に変わりつつある。かつては仏教と絡められ捉えられてきた瞑想は少しずつ宗教性を排除した形で日本に進出しようとしている。実際に、「寝たまんまヨガ 」は寝ることが出来ることをメリットに押し出し200万DLを記録しており、Studio yoggyは瞑想スタジオmuon を開設している。少しずつではあるが、日本でもその足音は聞こえている。
セレブやスポーツ選手からどんどん一般的に広まっていったヨガと同じ軌跡を瞑想は辿っていると言えるだろう。
そもそも、日本人は仏教と深く関係を持って生きてきた。テクノロジーの進化とともに大きく変わる社会の様子によって、不安やストレスを抱える人の数は増加していると言われている。そういった社会的な要因も瞑想の流行には大きく関わってくるだろう。
こう考えると、時代の流れに乗って、いかに"クール"なイメージを持ってもらえるかどうかが鍵になる。
どちらにせよ、瞑想の日本進出戦略には、ヨガにとってのハリウッドセレブたちのような人気芸能人やインフルエンサーなどの有名人の力は必須であろう。SNSが発達した現代だからこそのマーケ戦略が有効だろう。
その言葉が聞こえる未来もそう遠くは無いのかもしれない。