糖質制限ダイエットによって筋肉量は減ってしまう

様々なダイエット方法が流行し、いつの間にか忘れられていく。そんな中で糖質制限は、ダイエット方法として一般的に定着してきている。実践が簡単で精神的なストレスが少なく、結果が出やすいことが受け入れられた要因である。現在は、コンビニやスーパーなどでも低糖質の商品を数多く目にするほど、多くの方々に支持されている。しかし、糖質制限はやり方を間違えると筋肉量が減ってしまうなどの悪影響を招くことがある。今回は、糖質制限について、筋力量を減らさないで健康的に実践する方法を詳しく説明していく。


糖質とは

糖質と聞くとお米・パン・甘いものといったイメージを浮かべていることがほとんどだろう。糖質とは、正しくは炭水化物からエネルギー源にならない食物繊維を除いたもののことを言う。具体的には、お米・パン・麺類・芋類・砂糖などが挙げられる。日本人の1日のエネルギーを作り出す栄養素のバランスは、たんぱく質が13~20%、脂質が20~30%、糖質が半分以上の50~65%を占める。20~40代の日本人男性の基礎代謝量は、約1500kcalである。それに加えて、それぞれの運動量によって1日の消費カロリー量は変わる。1日の消費カロリーが2000kcalと推定すると、摂取が必要な糖質の量は1000~1300kcalとなる。本来は、糖質によって1日に必要なカロリーの半分以上を摂取しなければならない。それだけ、人間が生きていく中で糖質は重要なエネルギー源であると言える。

糖質制限をすると身体の中で何が起こるのか

糖質制限ダイエットをすると、1~2週間で数kg、1ヶ月で5kgなど短期間での減量に成功することも珍しくない。ダイエット前後の体組成を比べてみると、体重は減っているのに体脂肪率はそれほど減っていない場合が多い。糖質制限ダイエットでは、脂肪が減っているのではないことがわかる。実際に減っているのは、水分である。糖質制限をすることで、必要なエネルギーの50~65%が摂取されないことになる。その結果、エネルギー源が不足した状態におちいってしまい、身体の中に蓄えていたエネルギー源を使わなければならなくなってしまう。結果として、肝臓や筋肉に蓄えられていたグリコーゲンを分解してアミノ酸を作り出す、それがエネルギー源になる。そのときに水分が排出される。その水分こそが、糖質制限によって減った体重の正体。糖質制限をした後にリバウンドしやすいのは、主に身体内の水分が減少しただけだからである。

糖質制限で筋肉量が減るメカニズム

ダイエットの考え方として、消費カロリーよりも摂取カロリーを少なくするのは基本である。しかし、糖質に偏って摂取カロリーを制限すると、糖質しかエネルギー源にできない身体の機能は困ってしまう。血液を流すことや運動がその主な機能である。不足したエネルギー源は、まず肝臓に蓄えられたグリコーゲンを分解してアミノ酸を作り出す。それでも不足している場合に、筋肉内に蓄えられたグリコーゲンを分解してアミノ酸を作り出すことになる。このような状態が続けば、筋肉量の減少が引き起こされることにつながってしまう。これが、糖質制限による筋肉量の減少を引き起こす原因である。長期間にわたって糖質制限をすれば、当然のことながら筋肉量はどんどん減少してしまう。

糖質制限を長期間続けるデメリット

筋肉が減ってしまい痩せにくくなる

長期間にわたって糖質制限を続けると、痩せにくい身体になる。むしろ、太りやすい身体になるとも言える。糖質制限によって筋肉量は減少するが、筋肉量が減少してしまえば基礎代謝量も減少する。結果として、1日の消費カロリーも減少することになるため痩せにくい身体になってしまう。また、エネルギー源が不足した状態となると、食事をしたときに栄養素の吸収率が高くなる。そのため、太りやすい身体になってしまう恐れもある。これも糖質制限の後にリバウンドしやすい要因と言える。糖質制限は長期間続けるとデメリットが多い。また、筋肉量の減少だけでなく、骨密度の低下を引き起こすこともあるため、注意が必要である。

生活習慣病にかかるリスクが高まる

糖質制限を長期間続けると筋肉量が減少し、基礎代謝量も減少してしまう。基礎代謝量が減少すると、使われなくなってしまった糖質が中性脂肪になって身体内に溜まることになる。隠れメタボと言える状態になってしまう。その結果、動脈硬化や血液はドロドロになり、脳卒中や心筋梗塞などの生活習慣病を引き起こすリスクが高まる。逆に糖質を摂りすぎてしまえば、肥満を引き起こし生活習慣病のリスクは高まってしまう。糖質は人間にとって重要な栄養素である。多すぎても少なすぎても身体に害を与えてしまうために、十分な注意が必要な栄養素である。

糖質制限で筋肉を減らさない方法

糖質制限は短期的にする

糖質制限を長期間続けないことが大前提になる。長期間の糖質制限には、筋肉量の減少や太りやすくなる危険性が高くなるなどのデメリットが多い。糖質制限そのものにはメリットがもちろんある。ファスティングなどの全般的な食事制限ではなく、糖質だけを制限するので精神的なストレスが少ない。簡単に実践しやすく、短期的に結果が出やすいこともある。糖質制限のメリットを最大限に活かし、筋肉量を減らさないようにするには、短期的に実践することが大切である。

完全な糖質制限ではなくプチ糖質制限にする

糖質を全く摂らないのではなく、糖質を少なくするという考え方にする。糖質は、人間の必要なエネルギー源の中でも半分以上を占める栄養素。そのため、適度に糖質を摂ることは生きる上で大切である。20~40代の男性では、1日に約1000~1300kcalの糖質が必要になる。例えば、そのうちのカロリー量を半分に抑えるなど、0kcalにするのではなく減らしていくことがポイントである。プチ糖質制限にすることで、筋肉量の減少や生活習慣病のリスクも防ぐことができる。また、糖質以外の栄養素をバランスよく食事に取り入れることも必要になる。それに加えて、適度な運動を行って筋肉量の減少を防ぐことも大切である。

糖質制限の評価は分かれている

糖質制限については、専門家の見解が真っ二つに分かれているのが実際のとことである。糖質制限をすることでエネルギー源は不足する。しかし、肝臓や筋肉内に蓄えられたグリコーゲンがアミノ酸を作り出すだけでなく、脂肪も分解されてエネルギー源となるケトン体の血中濃度が高くなるため、エネルギー源は不足状態にはならないという主張もある。それに対し、ケトン体だけではエネルギー源の不足状態をまかなうことはできないという声も聞かれる。糖質制限ダイエットの第一人者と呼ばれる方が亡くなってしまったことも、否定的意見が高まる要因になった。様々な見解があることを踏まえて、糖質制限を実践するためには十分な情報収集をしていくことが大切である。ポイントは、どのような立場の方が発信している情報なのか、医師なのか栄養士なのかなど、確認することである。もし、持病がある場合は、糖質制限を行うときには自己流にならないよう主治医に相談することをおすすめする。

まとめ

糖質制限にはメリットもあればデメリットもあることがわかった。特に長期的に続けることによって筋肉量は減少し、生活習慣病になるリスクも高まってしまう。そのため、糖質制限は短期的に、完全な制限ではなく一部制限をして実践していくことが大切になる。糖質は多すぎても少なすぎても健康を害する可能性のある重要な栄養素である。まずは、専門家の意見など糖質制限に関する情報を十分に吟味し、正しく糖質制限を理解していくことが必要である。糖質制限について理解した上で、心身ともに健康的なダイエットをしてみてはいかがだろうか。