仕事やDIYなどで工具を使っている方必見! グラインダーや草刈り機の振動は大丈夫?
この記事が気になったあなたは除草作業中にこんなことを考えたのではないでしょうか?
「これって白ろう病にならないのかな」
この不安、とても正しいです。
ただ、多くの方は忙しいし、軍手をつけたり防護メガネをかけたりなどの安全対策はしているから大丈夫かなとそのまま作業を続けています。
今回立ち止まって検索をしたあなたは多くの方よりも安全への意識が高いのだと思います。
この記事を読めば、草刈り機やグラインダーの振動でも白ろう病になるリスクがあることがわかり、今後の対策を解説していますので、あなたは多くの方よりもリスクが下がることは間違いありません。
まずはあなたが実践していただき、知り合いの方にも是非広めていただければ嬉しく思います。
私は2015年より広告看板の設置や製作に携わっており、コンクリートのハツリ作業をすることがありました。
その際、ものすごい音と振動だったので、作業用手袋と耳栓をつけ作業を進めましたが、疲労もあってか「あれ?手が痺れてる?」と感じたことがありました。
安全に作業したつもりでいましたが、このまま作業していて身体は大丈夫なのか・・・と心配になったので調べてみると、「振動障害」という病気があることがわかりました。
白ろう病はその病気の中の一つで、私が行っていたハツリ作業にもリスクはあるということがわかりました。
さらに調べる中で、安全対策の研修「振動工具取扱責任者」という資格があることがわかりました。
この資格はチェーンソー以外の振動工具を扱う上で必要な国家資格で、4時間の講習のみで取得できます。金額は8500円です。
短時間で取れることもあり、安全対策の勉強のため「振動工具安全講習」を受講してきました。
※本記事ではバッテリー式やエンジン式関係なく電動工具と表記しています。
振動障害のリスクがある電動工具とは?
振動障害についての説明はこちらをご参照ください。
振動障害のリスクがある電動工具(以下、振動工具)はこちらの厚労省のページをご覧ください。
あなたはどのような工具を使っていますか?
振動工具は効率的に作業が進む便利アイテムですが、対策・予防をせずに作業していると時間をかけてだんだんと身体に蓄積し、少しずつ症状が進行していきます。
以下、身近な振動工具を挙げていきますので、お持ちのものがあるか確認してみてください。
振動ドリル
草刈り機
引用:マキタ
ジグソー
振動障害になる原因とは?
どんな状況がそろったときにリスクが高まることになるのか、まとめてみました。
- 工具の重さ
- 振動の大きさ
- 作業時間
- 作業方法
- 騒音
- 気温(低いほど高リスク)
- 日常の生活状態
- 年齢
上記5つ目までは当然かと思います。
気温、日常の生活状態、年齢が関係することは意外ですが、血液の流れがポイントです。
寒くなれば血管が収縮しますし、喫煙や加齢、日常食べるもので血液がドロドロなのか、サラサラなのかも関係します。
つまり振動障害は血液の流れが悪くなって症状が出るということです。
振動障害の予防方法とは?
では上記5つ目までの予防方法についてまとめると次の5つのことに注意しながら作業をする必要があります。
- 軽くて無振動や低振動の工具を選ぶ
- 工具のメンテナンスをする
- 作業方法を見直す
- 保護具を身につける
- 作業時間の制限をする
それでは詳しく解説していきますね。
予防法①軽くて無振動や低振動の工具を選ぶ
電動工具を選ぶときは以下のようなものを選ぶと、身体に振動が伝わりにくいのでリスクを下げられます。
引用:MAX
- 本体の振動、作業時の振動が出来るだけ小さいもの
- 重量の軽いもの
- 持ち手がゴムになっているもの
予防法②工具のメンテナンスをする
工具の性能が悪くなるとそれだけ作業時間が増え、振動を伝わる時間も長くなってしまいます。
作業前など日常のメンテナンスは必須です。
以下のチェックは必ず行うようにしてください。
- ドリルや刃物などのアタッチメントに摩耗や損傷はないか
- 油切れはないか
- 本体に変形、亀裂破損はないか
- 部品の緩み、脱落はないか
予防法③作業方法を見直す
操作や作業方法に多少の改善をすることは振動障害の予防に大きく役立ちます。
以下のような作業を心がけてみましょう。
- 工具のハンドル以外を持って作業しない
- ハンドルなどは軽く握り、道具の重さを利用する
- なるべく下向きの姿勢で行う
- 軽くひじを曲げて余計な力は入れない
- 排気をなるべく吸引しないようにする
参考動画をご紹介します。
こちらの店長さんもお話していますが、余計な力を加えるとモーターに余計な負荷かけるだけで、効率がアップするわけではありません。
振動が増えリスクが増すことにもつながるので機械の重さを利用し回転に負けない程度の力で保持すれば良いでしょう。
予防法④保護具を身につける
振動の発生する工具を使用するときは工具に合わせて次の保護具を身につけるようにしてください。
- 防振手袋
- 耳栓
- ヘッドフォン
- 保護メガネ
- マスク
私が実際に使用しているおすすめの保護具
「振動軽減手袋 しんげんくんプロ」
価格が安く、手の甲までコーティングされているのでクッション性が高そうに思えたので購入してみました。
他と付け比べていないので衝撃吸収性は比較できませんが、思っていた通りのクッション性で、ゴムが分厚くて振動は随分軽減されました。
ただ私は手が小さい方なのでフリーサイズのこの商品は、指先が余って少しフィット感が良くなかったです。
Amazonは少し安く購入できるようです。
手が小さい方はS~XLまでサイズ展開がある「Seibertron」の防振手袋がおすすめです。
Amazonで販売されています。
Amazonには私のような手指が短い方のレビューがあり、指先の余りがなかったとありました!
引用:Amazon出品元
予防法⑤作業時間を制限する
1日の作業時間を求める方法が日本電機工業会のHPに記載されています。
詳しくはこちらをご参照ください。
3軸合成値は本体側面に記載されていることが多いようです。
私の工具は古いものばかりなので記載がありませんでした
連続作業時間の目安として30分程度振動工具で作業したら、別の作業を5分するとか、休憩するなどすれば身体に負担がかかりにくいでしょう。
「振動障害かも?」と思ったらどうすればいいのか?
振動障害は日常に潜む身近なリスクです。
バイク配達員の方が振動障害になった事例もあります。
継続的にさむけやしびれがある場合、初診は整形外科が適しています。
薬物療法と理学療法を行うようですが、理学療法は今から行うことができます。
簡単な方法は温泉に行くことです。
温泉でリラックスし、サウナで汗をかき水風呂に入る。
温・冷の交替浴をしたらマッサージを受ける。
血行を良くすることが治療になり、リスクを下げることに繋がります。
日常的にできることとして、喫煙を少なくし、栄養のある食事を取るなど日常の健康管理に気を配っていればリスクはかなり下がります。
振動工具を使用する機会がある方は誰しも白ろう病になるリスクはゼロではありませんが、短時間の使用時間で、防振手袋などの保護具を身に着け、日常の健康に気を付けていれば、そこまで大きなリスクではないということが言えるでしょう。
参照