筋トレをする人に知っておいて欲しいステロイドの危険性
ドーピング物質として、アスリートの使用が禁止されているステロイドだが、近年ではインターネットを通してステロイドを購入できるようになっていることから、アスリート以外の一般人によるステロイドの利用が問題になっている。ステロイドの危険性と現状について解説していく。
筋肉の合成を促す物質として知られ、現在ではドーピング物質として、アスリートの使用は禁止されている。しかし近年では、インターネットを通してステロイドを購入できるようになっており、アスリート以外の一般人によるステロイドの利用が問題になっている。
今回は、筋トレをする人に必ず知っておいて欲しいステロイドの危険性と現状について解説していこう。
ドーピングに使われる筋力増強を目的としたものは、アナボリックステロイドと言われ、男性ホルモンの1つであるテストステロンの同位体である合成物質のことをさす。男性ホルモンとして働き、筋肉中のタンパク質の合成を促す同化作用を持つため、開発された当初は筋肉増強材として広く使われるようになった。
通常、筋肉を鍛える際には、運動を行って筋肉を破壊し、それに合わせてタンパク質を摂取することで筋肥大を促すわけだが、アナボリックステロイドを使うと、通常とは比べ物にならない速度で筋肉内のタンパク質合成が進み、結果的に通常の数倍の筋肉がつく。
誤解を恐れずにいえば、「筋肉をつける」というただそれだけを目的にするのであれば、確かにステロイドに効果があるのは広く認められていることで、これが多くのアスリートをドーピングへ誘うこととなってきた理由でもある。1988年のソウルオリンピックで陸上100Mの世界記録を出したベンジョンソンがステロイドを使ったドーピングを行なっていたことを記憶している人もいるのではないだろうか。
しかし、ステロイドの副作用は非常に強く、場合によっては命の危険もある。簡単に手に入る筋肉の代償は決して小さくはない。
想像以上の副作用
副作用は身体だけに限った話ではない。ホルモンの分泌バランスが崩れることで、倦怠感やうつ病のような精神状態になったり、イライラが続いて攻撃的になるなど、精神的にも影響が出ることが分かっているのだ。
また、肝臓に障害が出るケースも報告されているなど、ステロイドの副作用は心身の両面で、全身に及ぶのである。
厚生労働省が調査に乗り出す
厚生労働省はこのような状況を鑑みて、アナボリックステロイドの利用実態の調査を開始した。
さらに加えていえば、筋肉増強サプリとして販売されているものにステロイドが含まれており、自覚せずにステロイドを摂取していたというケースもある。特に海外の製品には、高い筋肉増強効果を謳って、ステロイドなどの物質が含まれていることがある。
筋肉をつけるには、あくまでも筋肉への負荷とタンパク質の摂取が基本になる。インターネットでサプリ等を購入する際には、その成分に一段と注意を払い購入するようにしよう。
まとめ
筋トレサプリ等を利用する際には、くれぐれも成分には気をつけて利用するようにしたい。