寝る前に音楽を聴くことは効果的なのか。

就寝前に音楽を聴く人は少なくない。科学的に効果があることは知らなくとも、ウォークマンの時代から睡眠と音楽の関係は切り離せない。科学的な効果を理解して、音楽を上手く睡眠の効率に活用することが重要だ。


心身にとってのメンテナンス効果が高い睡眠の重要性は誰もが理解出来る。身体の疲労やメンタルヘルスとも大きく関係することは語らなくとも分かるだろう。いかに質の高い睡眠を得るのかにおいて、寝る前に音楽を聴くことは効果的なのか。科学的な効果を理解した上で、睡眠と音楽の関係を紐解く。

睡眠と音楽の関係

寝る前に音楽を聴くという行為は多かれ少なかれ誰でも経験しているだろう行為。特に意識することもなく、誰かに言われるでも無く気づけば耳にイヤホンをはめていた。
自然と聴いていた音楽だが、実際に科学的効果はあるのだろうか。

就寝前に音楽を聴くことのメリット

多くのビジネスマンは日中の仕事で交感神経優位になっている状態で仕事のことを考えていたら眠れなくなることは少なくないだろう。寝つきが悪い時というのは交感神経が優位になっている時が多い。ストレス負荷を感じている状態や興奮状態では交感神経優位になっていることが多く、些細な音が気になってしまうなど、外的要因にも敏感になってしまう。眠りたければ交感神経優位の状態から副交換神経優位な状態に変える必要がある。

そこに一役買うのが音楽だ。

就寝前に音楽を聴くことで心が落ち着くことができればα波という脳波が出る。リラクゼーション効果がある音楽によってα波の分泌を促し、副交感神経優位に変えることができるという点で寝る前に音楽を聴くことはメリットがある。

就寝前に音楽を聴くことのデメリット

α波の分泌を促さない音楽を聴くことは睡眠の妨げになる。交感神経優位な状態になると寝つきが悪くなる。テンションが上がる音楽を聞いてしまうと興奮状態になるため、寝る前に音楽を聴くことはデメリットになりうる。

睡眠ホルモンと言われるメラトニンというホルモンも重要だ。2005年のPanasonic(旧:松下電工株式会社)の研究結果によると、体内時計の調節に強く関係するメラトニンという脳内ホルモンは照度依存性を示しており、照度が高く受光量が多いほど分泌が抑制される。今、音楽を聴くとなればスマートフォンで聴く人がほとんど。スマートフォンの画面を見ながら音楽を聴くことがあれば、寝る前の状態にはデメリットになる。

参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/29/4/29_4_194/_pdf

pixabayからの画像

オススメなのはクラシック、ヒーリング、普段聞く音楽

あなたにとって心を落ち着く音楽とは何だろうか。端的に言えば、その音楽があなたが寝る前にオススメの音楽だ。特に睡眠の効果を最大化させたい人はリラクゼーション効果が高い音楽を選ぶことがオススメ。

音の高低差はなるべく少ない方がよい。また、アップテンポの曲よりもローテンポの曲のほうが良く、歌詞がある曲よりも歌詞がない曲のほうがいい。交感神経優位になることを防ぐためにも音量は大きすぎない方がよい。
上記の条件を満たした上であれば、以下の大きく3種類の音楽はオススメ出来る。 クラシックと言ってもエドワード・エルガーの「威風堂々」などのアップテンポの音楽は睡眠前には適さない。

 ex)モーツァルトのピアノ協奏曲 第23番 イ長調 第2楽章
https://youtu.be/2-rU3EEv5zA
   バッハのゴルトベルク変奏曲
https://youtu.be/w0CsnXaJT5Y

クラシック音楽は睡眠の質を向上させるために効果的だとと考えられている。クラシック音楽を聞いてリラックスが出来ている絵は頭に思い浮かびやすいだろう。

ex)雨の音や森の音などの自然音
 https://youtu.be/RFvi7dDzLX0
 https://youtu.be/D9wiLCdjrxg

寝る前に聴く時の4つのポイント

普段聞いている音楽

ヒーリング音楽

クラシック音楽

睡眠の効率を上げるためにもメラトニンの分泌を抑制させずに、α波が出た状態にできるかが鍵になる。そのために、就寝前の音楽を聴くにはコツがある。

1.部屋の電気を暗くして、スマートフォンなるべく見ないように準備する。

メラトニンは照度依存性があるため、就寝前からスマートフォンのブルーライトがなるべく目に触れないように準備することが重要。あらかじめ寝る前に聴きたい音楽を流した状態でベッドに入るようにする。可能であれば、就寝1時間前には間接照明を利用するのが望ましい。

2.音量は最小に設定する。

興奮状態にならないように音楽の音量は最小で設定してくと良い。交感神経優位な寝付きの悪い状態にははっきりと聞こえるが、眠りに落ちていくにつれ聞こえなくなっていくくらいの音量設定。

3.タイマーを設定し、眠りについた後は流れないように設定する。

iPhoneやAndroidで音楽を聴く人は再生停止タイマーを設定し、眠りについた後に音楽が流れ続けないように工夫するのが良い。睡眠導入効果を高める音楽であったとしても、一度眠りについた後には起こしてしまう要因になりかねない。1~2時間で再生停止タイマーを設定した上で、音楽を聴く準備をすると避けられる。

4.イヤホン・ヘッドホンは利用せずスピーカーモードで聴く。

寝る前に音楽を聴く際にはイヤホンやヘッドホンを通して聴くことはおすすめしない。なるべく身体にとってストレスレスな状態で眠りにつくことが必要なのに、逆にストレスを感じてしまう要因になるからだ。スマートフォンの設定をスピーカーモードにして、身体から離れたところに配置する方が良い。

睡眠の質をあげるために

普段聴いている音楽が効果的なのは理解できるだろう。一言に普段聞いている音楽と言っても、リラックス効果のある音楽だ。あなたのプレイリストの中にある音楽の中でもリラックス効果の高い音楽を聞くのはおすすめだ。
何気なくやっていた寝る前の音楽は聴くという行為は間違ってなかったようだ。日々、忙しく働くビジネスマンにとって睡眠の質を高めることは至上命題であろう。

勿論、睡眠の効率を向上させる方法は音楽だけではない。匂いや日中の運動量も大きく影響するだろう。もしかしたら睡眠のサプリメントを飲むことも一つの策かもしれない。
良い夜を迎えて、気持ちよく明日を迎えられるようにしたいものだ。
睡眠が変われば明日のあなたの仕事も変わるはずだ。

参考: 「睡眠の質が向上する? お得なおすすめ睡眠サプリ5選」https://www.saluce.jp/wp/articles/63
   「スタンフォード式睡眠の実践のススメ」https://www.saluce.jp/wp/articles/60

Night&Day ~最高の睡眠と目覚めのためのClassic~
また、2019年9月25日に「スタンフォード式 最高の睡眠」の著者である西野精治教授が監修した「Night&Day ~最高の睡眠と目覚めのためのClassic~」を発売することを決定した。注目したい。
//af.moshimo.com/af/c/click?a_id=1923562&p_id=56&pc_id=56&pl_id=637&url=https://books.rakuten.co.jp/rb/15975849/
『Night&Day~最高の睡眠と目覚めのためのClassic~』は、昼間の活動量をあげ、夕刻からは反対にリラックスすることで良い眠りへと導く「最高の睡眠」と「最高の目覚め」にフォーカスした2枚組CDとなっており、収録曲は試聴を含むレーティング調査を実施したうえで選曲された。

レーティング調査は20代から60代までの男女164人のモニターに、午前中と夕方の2回、クラシックの名曲30曲をランダムに聴いてもらい、その曲を聴いて気持ちが高揚するか、落ち着くかなどの「形容詞」14項目を10段階評価で採点してもらい、集計された。さらに、同じ30曲を午前と、午後で受ける印象が違うかなど調査するため、一部のモニターには2週間後もアンケートが繰り返し実施された。
1日平均7.5時間の睡眠時間を取ると仮定すると、我々は人生の約3割を寝て過ごす計算になる。この数字を見ても「眠り」がいかに重要であるかが実感できる。そして、今や「眠り」は現代人にとっての最大の関心事の1つになっている。

さらにアルバムに収録された全曲は、先日より始まったクラシックの名盤100タイトルを集めたキャンペーン『クラシックの100枚』の中からの名演奏がセレクトされている点でも効果が期待され、忙しく過ごす現代人すべての方々に、是非チェックしてもらいたい作品となっている。

西野教授は、令和元年には 睡眠に関する正しい情報発信のほか、 研究、実証した成果をベースにした睡眠サービスや製品の開発を行う目的で、株式会社ブレインスリープを設立し、その代表取締役に就任。その世界的な睡眠研究の権威である西野教授が、次なる「眠り」のテーマとして選んだ素材が「クラシック音楽」だった。

https://www.universal-music.co.jp/classics/night-day/news/2019-09-06/
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